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zoom RSS カミーユの物語は現代版ヨブ記か?

<<   作成日時 : 2017/05/11 02:50   >>

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☆ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」 (文春文庫)表紙


シリーズ第1作「悲しみのイレーヌ」で司法警察を追放されたマレヴァルが深く関わる物語。
日本では最初に文庫化されたのが「その女アレックス」だが、ヴェルーヴェン・シリーズの執筆順は「イレーヌ」「アレックス」「カミーユ」の順。
けれど出版の事情とは言え「イレーヌ」「カミーユ」の順で読めたのは良かった。
この辺りのことは「あとがき」にもあったけど、その通り。

「傷だらけのカミーユ」では冒頭、いきなりカミーユの現在の恋人アンヌが強盗犯と鉢合わせしてしまい、助かりはするが顔が変形するほどの暴行を受ける。
犯人の顔を見てしまい命の危険に晒されるアンヌを守るため、ゴリ押しと嘘でこの強盗事件を担当したカミーユだった。
通常、被害者の家族やそれに順ずる近しい関係者は事件担当から外されるからだ。
その上、入院先の病院にいては危ないと踏んだカミーユは、独断でアンヌを亡き母のアトリエだった別荘に移してしまう。
ところが病院も警察関係者も知らないはずのアンヌの居所を犯人は見つけ出し、襲おうとする。
なぜ犯人はアンヌの居所を知ったのか。
独断でアンヌを移動させたこと、本来担当できないはずの事件を捜査中のカミーユは自分がついた嘘のせいで、アンヌと担当判事と司法警察の板挟みになり動きが取れなくなってしまう。
どうしてこれほどまでに自身が窮地に立たされることになったのか。
何かが引っかかるカミーユ。
ルメートルの真骨頂、驚きの展開が待っている。

カミーユ・ヴェルーヴェンにこんな人生背負わして…ルメートルはサディスティックな作家だ。
「悲しみのイレーヌ」で自殺してもおかしくないような悲惨な経験をさせて、今度は手酷い騙されよう。
こんなにも人間の気持ちを踏みにじるとは。
今回に至っては彼の最後の拠り所である警部職、それすら失職の可能性がある。
ヴェルーヴェンのシリーズは3作で終わってしまうのだろうか…
余韻をもたせた終わり方ではあったが…
ルメートルさんよ、どうかヴェルーヴェンを幸せにしてやってくれ。
このままだと彼は旧約聖書に出てくるヨブだ。
苦しいことのみ多かりき。
今後シリーズが続くとしたら、失職して私立探偵に転職するしかないように思えるが、さてどうなるか。

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